常歩ウォーカー・杉本選手のメール

 講義の中で、腕を持ち上げる時は体幹から遠い位置に意識を置くのでなく、近くに意識を置いて腕の重さを感じながら上げる、というのがありました。これを利用することで、ここ数ヶ月の課題を解消することができました。

 講義中に皆で立ち上がって腕を動かしていたときには既に気付いていたのですが、近位に意識を置いて腕全体をリラックスさせた時は、手のあたりに意識を置いているときよりも腕の先端の動きが速く、スムーズなのです。すぐに、走っているときに“脚が鞭のようにしなやかに動く”というのはこれか!と思いました。

 昨日、今日の練習で、これを応用して脚の意識を大腿の付け根においてみました。すると、見事に体がすいすいと前に進みだしました!何がポイントかと言うと、自分の努力感およびストライド(の大きさ)感覚から期待する以上に、体がよけいに前に進むということです。

 この冬に股関節を故障する以前もこの体験(・気分・感覚)はあったのですが、しばらく見失っていました。その結果、体がうまく前に進まないものだから、ついつい(無意識のうちに)地面を蹴ってストライドを大きくしようとしていました(そして、下腿が力んでしまっていた)。「そうではない、膝から下はもっとリラックスする(客観的?)んだ」、とは思っても、“どこ”を“どう”すればよい(主観的)というポイントがつかめず、うまくいきませんでした。

 そんなときに、上の方法が出てきました。もう違いは明らかです。自分の感覚以上に体が前に進んだり、進まなかったりする時があり、膝から下のリラックスが大切だとは気付いていましたが、こんな風に作り出せるとは思いもしませんでした。脚がnaturalならば、地球がどんどん前に押してくれるんですよね!

 科学(technologyとしての)の性質の一つに「再現性」がありますが、この方法なら以前調子の良かったときの動きをいくらでも再現できそうです。さらに、これまで自分でもあいまいにしか感じていなかった“鞭のような”感覚もつくり出せ、他の人に感じてもらうこともできるでしょう。

 今は頭でつくり出しているこの動きを、身体でできるようにする(動きは身体に任せっきりで、頭はそれを微調整するだけ)のがこれからしばらくの目標になりそうです。