常歩の立ち方

 常歩(なみあし)の「立ち方」について考えてみましょう。歩く・走るという動作は皆さん関心が深いようですが、それらの基礎は私たちの何気ない日常の「立ち方」にあります。常歩(なみあし)の走歩行がどうも上手くいかないという方は、ご自分の「立ち方」をもう一度見直す必要があると思います。

 合理的身体操作の基礎となる「立ち方」は、「楽」に立つことが大切です。「楽」にというのは、可能な限り筋力を使用しないという意味です。感覚的には、全く力を使わないで立ちたいのです。そのためには、地面に対して垂直に「立つ」ことです。

 左上の写真を見てください。定規などを当ててみてください。ほぼ垂直に立っていることが分かります。頭部全体は多少後方に引かれているのですが、顎が少し前に出ています。側面からは分かりにくいですが、肩甲骨は外側に滑り落ちた「外放」に位置しています。多少、骨盤を前傾させています。股関節は「外旋」させ、膝・足先は外を向いています。

 鏡や写真を撮って、ご自分の「立ち方」を確認することをおすすめします。ほぼ垂直に立つことができると、膝を抵抗なく楽に屈伸することができます。また、腕を上げてみてください。抵抗がほとんどなく動かすことができます。

 人によって感覚が違いますので、鏡などで客観的に姿勢を確認したり、膝の屈伸や腕を動かして、最も「楽」な骨盤の位置を探すことをおすすめします。日常生活がトレーニングの場となります。「立ち方」のトレーニングはどれだけ上達しても、常に継続する必要があると思います。

 さて、左下の写真を見てください。上の姿勢と比べてください。どのように感じられるでしょうか。実は、このように立っている方が圧倒的に多いのです。足は開いて立っていますが、股関節または骨盤付近を前に押し出しています。そのために意識的に胸を張って、顎を多少引いています。上の理想的な姿勢も胸が張られたように見えるのですが、それは、骨盤の位置と肩甲骨の「外放」によってそのように見えるのです。意識的に胸を張っているのではありません。

 さらに、下のように「立つ」方は膝の後ろ(ひかがみ)が伸びている方が多いのです。ジャージを履いているので分かりずらいですが、上の「立ち方」では、膝の後ろ(ひかがみ)に余裕があります。「立ち方」で既に膝が抜けているのです。

 私達は幼少の頃は、上のような理想的な「立ち方」をしていたのです。しかし、体育や集団訓練などで、下のような意識的に胸を張り、骨盤を押し出して股関節を固定する立ち方を教えられたのです。そして、それが正しい姿勢であると思い込んでしまったのです。

 近頃、「バランスボード」が注目されています。様々なものが市販されていますが、上のような自然な立ち方をすれば長時間乗ることができるようになります。

 さあ、皆さんも「動き」の前に、二軸で「立つ」ことを練習しましょう。